『対話型ファシリテーションの手ほどき』を読んで、「なぜ?」を封印することにしました
はじめに
こんにちは、kittchyです。
普段読むのは技術書ばかりで、コミュニケーションの本はほとんど手に取ってきませんでした。ただ最近、チームマネジメントや人との話し方について考える機会があったので、その流れで『対話型ファシリテーションの手ほどき』を読みました。
認定NPO法人ムラのミライの中田豊一さんが書かれた本で、国際協力の現場で磨かれてきた対話の手法を、日々の生活にも使える形でまとめたものです。出たのは2015年12月なので、ちょうど10年前の本を今さら読んだことになります。それでも読み終えてみると、職場と家のどちらでもそのまま使える話ばかりだったので、学んだことを残しておきます。
書籍/教材 – ムラのミライ muranomirai.org
「なぜ?」「どうだった?」を封印する
いちばん刺さったのは、自分たちが普段何気なく使っている「なぜそうなったの?」「どうだった?」を避けるべきだ、という指摘でした。
そこで、代わりに勧められているのが、「いつから?」「昨日は?」「どこで?」「たとえば何が?」といった、事実を確認する質問です。WhyやHowではなく、What・When・Where・Whoに寄せます。
この違いが思っていたより大きくて、「なぜ?」と聞かれた人は理由を説明しなければならないので、言い訳や自己正当化のほうに走ってしまいがちです。一方で「いつから?」と聞かれれば、覚えている事実をそのまま答えるだけで済みます。質問を変えるだけで、相手は構えずに答えられます。
相手が答えられる質問をする
もうひとつ大事なのが、相手が答えられる質問を投げることです。意見や考え、思い込みを語らせる質問ではなく、事実を述べるだけで答えられる質問を心がけます。
人間は自分に都合よく解釈する生き物です。だから意見や感想ではなく事実を中心に話すべきだし、聞くべきだという原則には、データドリブンな思考と通じるものがあるなと思いました。
待って、相手に気づかせる
この手法の核心は、自分から答えを与えたり諭したりせず、事実を丁寧に聞き出すことで、相手が自ら気づくのを待つところにあります。
最後の一言を相手にいわせることがゴールだ、という指摘は特に心に残りました。説教じみたことはせず、ひたすら事実を確認する質問を重ねていくと、相手が自分で状況を整理して、自分で答えに辿り着きます。
仕事を超えて使える
本書では、この手法が恋愛や子育てにも応用できると書かれています。確かに、パートナーや子どもに「なぜそうしたの?」と詰問するのではなく、「いつからそう思ってた?」「たとえばどんなことがあった?」と事実を聞き出していくほうが、建設的に話せそうです。
最後に
対話型ファシリテーションは、一見シンプルなのに実践はかなり難しい手法だと感じました。無意識に使っている「なぜ?」「どう思う?」を封印して事実確認の質問に徹するには、意識的なトレーニングが必要になりそうです。
ただ、これが機能すれば相手を尊重しながら本質的な問題解決に導けるので、技術的な問題解決だけでなく、チームビルディングや日常のやりとりにも活かしていきたいです。まずは「なぜ?」と言いかけたところで一度止まる練習から始めます。
それでは。